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2021-06-24 13:20

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【キーマンに取材】ウイングアーク1stの健康経営が1年でホワイト500取得に至った秘訣とは?

ウイングアーク1st株式会社は「情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」を企業理念に掲げ、ソフトウェアとサービスを通じて、企業のデータ活用を支援しています。このような企業理念に基づいて、2020年よりデータに基づいた健康経営の取り組みの推進を行い、取り組み開始から1年間で健康経営優良法人2021の「ホワイト500」の認定を受けています。今回はそんな健康経営のエリート集団であるウイングアーク1st株式会社の取り組みについてお話を伺いました。

ウイングアーク1st株式会社
執行役員 
人財・組織文化&サステナビリティ担当 兼 Wellness推進室長
吉田 善幸氏

應義塾大学文学部卒業後、本田技研工業に入社。
アディダスジャパン、Googleなど外資系企業を中心に人事部門のトップを歴任。
2017年7月にウイングアーク1 s t 株式会社に参画。
現在は、同社 執行役員 人財・組織文化&サステナビリティ担当 兼 Wellness推進室長。

ウイングアーク1st株式会社
Wellness推進室 
健康経営エキスパートアドバイザー
鳥越 美由紀氏

株式会社エフ・アイ・ティで総務部を担当後、2014年合併によりウイングアーク1st株式会社となり、同社総務部、人事部を経て、現在はWellness推進室を担当し、健康経営優良法人2021「ホワイト500」取得に至る実務を牽引。健康経営エキスパートアドバイザー。

-本日はよろしくお願い致します。まず初めに健康経営を始めたきっかけを教えてください-

鳥越さん:2018年に弊社では健康を取り巻く状況について調査をしたところ、健康診断の有所見率、運動習慣者比率では全国の労働者の平均以下でした。また、2025年には171名の社員が50歳以上を迎えるなど問題が山積していることがわかりました。

吉田さん:健康経営はメンバーの健康増進という目的もありますが、基本的にはエンゲージメントを高める施策として考えています。弊社では新型コロナウイルス感染症の拡大が収束してからもリモートワークを継続してく方針でいるので、特にリモートならではのメンタル状態や会社との良質な接点の持ち方のケアができる施策として急ピッチで進めてきました。

-そうなると、エンゲージメントを成果指標としながら、サーベイを実施されているのでしょうか?-

吉田さん:そうですね。エンゲージメントサーベイは重視しています。ですが、メンバーの健康とエンゲージメントに関して、データによる確固たる裏付けがあるわけではないため、相関関係にないと考えています。なので、健康経営を実施することでメンバーのエンゲージメントが上がるとは考えていません。ただ、QOLの上昇には欠かせないツールとして考えています。弊社では1年を通じて繁忙期の波がありますが、短期間で集中的に忙しい期間があったとしても、エンゲージメントには影響しない一方、長期間になると影響が生じることがサーベイの結果から分かっています。このほか、当然人によってストレスの耐性も異なるので、一人ひとりが上手くストレスをコントロールするために、健康経営の施策が活用できると思っています。

-健康経営の施策の実施までにどのような準備をしてきたのでしょうか?-

鳥越さん:2019年10月、何も準備していない状態で、健康経営度調査を提出し、現状を把握しました。その結果からすでにできていることとこれからやらなければいけないことを整理していきました。そして、2020年3月の社員総会で田中社長より健康宣言を発信し、これを機に本格始動し、健康経営専門部署のWellness推進室を立ち上げました。

-Wellness推進室とはどのような活動をしている部署なのでしょうか?-

鳥越さん:Wellness推進室は人事部及び産業医・保健師、健康保険組合、衛生委員会の3つの部署のパイプ役となり、健康経営を推進する部署です。衛生委員会をWellness委員会とし、メンバーであるWellnessリーダーが施策を企画し、直接社長もしくは役員に提案をしています。ですので、効率良く問題を吸い上げ、施策の実施ができるようになっています。

-Wellness推進室で企画された具体的な事例があれば教えてください。-

鳥越さん:昨年はリモートでの全社を対象としたウォーキングイベントを数回実施しました。アプリで歩いた距離を計測し、MotionBoardという自社のBI製品を活用して、移動距離の見える化を行いました。1回目のウォーキングイベントでは『地球一周』、2回目のウォーキングイベントでは『月面着陸』を目標に掲げ、参加率は80%以上と高い参加率となりました。

-参加者を増やすために工夫されているポイントはありますか?-

鳥越さん:全社員が参加するオンライン集会の場で、社長から直接企画を告知、参加の呼びかけをしてもらったり、期間中の総歩数が社長と近い歩数だった社員には賞品を用意したりするなど、試行錯誤ですが工夫しました。

-その他に事例はございますか?-

鳥越さん:産業医・保健師による1on1での健康面談を全社対象で実施しました。ここでも自社製品のドキュメント管理ソリューションであるSPA Cloudを活用してオンライン上で各自の健康診断のカルテを確認しながら、遠隔で専門家による指導を実施しました。

-健康経営を実施してから社内に生まれた変化はありましたか?-

鳥越さん:実施後の社内アンケートでは、健康経営について86.6%のメンバーが認知しており、79.2%のメンバーが会社は健康経営に取り組めていると感じる、と回答しています。また、施策に参加した35.8%のメンバーがコミュニケーションが生まれたと感じると回答しています。運動習慣、食生活、睡眠の質も改善されたのが確認されています。このような結果、健康経営度調査の順位が昨年は平均値以下だったのが、上位10%以内まで上がり、健康経営優良法人ホワイト500の認定を受けました。

-1年で上位10%が認定されるホワイト500の取得に至ったのはとても驚きました。成功のポイントはどこにあると思いますか?-

吉田さん:組織のカルチャーが大きいと思います。これはコーポレートの取組みに限らずいえることですが、弊社には会社の方針で決まった施策に対して、まずはみんなで協力してチャレンジしてみようとするカルチャーがあります。

鳥越さん:特に役員の全面的な協力がありました。背中を見せるという意味合いで、イベント実施前に役員チームに歩数のランキングで常に上位にいてください、とお願いしたところ、全てのイベントで役員チームは上位にランクインしていました。

-健康経営において、今後の目標などはございますか?-

鳥越さん:2022年度までに喫煙率12%以下を目指しています。今は実現に向けマイスター制度とフレンド制度を作っています。マイスター制度とは上司が部下の卒煙を応援する制度、フレンド制度とは卒煙を希望するメンバー同士が集まってDEJIRENという自社サービスを活用して、卒煙コミュニティの醸成を支援する制度です。このような仕組みで目標の達成に向け取り組みを実施している最中です。

-健康経営の取り組みで課題に感じられている部分はありますか?-

吉田さん:まだオンライン環境での施策は不十分だと考えています。リモートワーク環境が続くことによって起こりえる心身の不調からくる労働パフォーマンスの低下へのリスク対策が完全に解決したわけではありません。物理的に社員が会社に出社して業務をしていた、今までの普通のオフィス環境であれば起きなかったリモート―ワーク環境特有の要因による生産性の低下を防ぐために、直属の上長や管理監督者が、日ごろから部下の心身の状態を敏感に感知し、都度適切なラインケアをするためにも、会社として必要なサポートは他にもあると思っています。

-健康経営を始めようとしている企業にアドバイスがあれば教えてください。-

吉田さん:経営トップがコミットすること、メンバーファーストの視点を持つことの2点が大切だと思います。会社の利益がファーストになると、メンバーに見透かされ、結果的にうまくいかないプロジェクトになると思っています。トップが積極的に参加することで会社の本気度が伝わり、メンバーの健康への投資がQOLを向上させ、結果的に会社の成長につながるという考えの順序を大切にすることが大事だと思います。

編集後記:
ウイングアーク1st株式会社の取り組みは健康経営のロールモデルになる事例です。健康そのものは突き詰めると個人で管理するものになりますが、健康という視点だけでなく、モチベーションを管理する工夫と一体感が生まれる仕組みづくりを設計するのが健康経営を始めて1年でホワイト500の取得に至った秘訣だと感じました。健康経営を成功に導くポイントとして、メンバーファーストの視点を持つというアドバイスを頂きましたが、健康を押し売りするのではなく、メンバーで楽しみながら健康を目指すという根底にあるマインドが真のメンバーファーストであることを学ばせて頂きました。

この度は取材にご協力頂きありがとうございました。

ビズヨガでは健康経営や従業員の健康増進に積極的に取り組まれている企業様に取材を行わせていただいております。取材を希望される企業のご担当者様は、下記よりお問い合わせ下さい。
https://bizyoga.jp/contact/

ウイングアーク1st株式会社のコーポレートサイト
https://www.wingarc.com/