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2021-01-18 12:00

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習慣化のプロ「エーテンラボ社」が伝授する社員が健康習慣を身に付ける秘訣とは?

エーテンラボ株式会社は三日坊主防止アプリ「みんチャレ」を提供するスタートアップ企業です。

「みんチャレ」はソニー株式会社の新規事業創出プログラム「SAP(Seed Acceleration Program)」より生まれたサービスで、アプリ内に同じ夢や目標を持つ仲間が集うバーチャルコミュニティを作り、互いに協力して、行動を習慣化するサービスです。

同社は社員の健康維持にも注力しており、創業時から健康経営に関わる取り組みをしています。人の行動を変容させ、習慣を作り出すサービスを提供するエーテンラボ株式会社代表取締役CEO長坂剛氏に社員が健康習慣を身に付ける秘訣を取材させて頂きました。

●インタビュイーについて

エーテンラボ株式会社
代表取締役CEO 長坂 剛氏

2006年東京工科大学メディア学部卒業後、ソニー株式会社に入社。B2B営業やプレイステーションネットワークのサービスの立ち上げに従事。ソニーの新規事業創出プログラム「SAP(Seed Acceleration Program)」にアプリのアイデア応募し、採用されたのがきっかけで、ソニーの中のスタートアップとして、「みんチャレ」をリリース。1年後、ソニーから独立し、エーテンラボ株式会社を創業。

●「みんチャレ」について

匿名の5人でチームを組み、勉強やダイエット等の目標達成・習慣化を目指し、励ましあいながらチャレンジする三日坊主防止アプリです。今まで60万人以上のユーザーの習慣化をサポートし、アプリストアでは平均評価4.7(5段階評価)と実際に使っているユーザーからも高い支持を得ており、2016・2017年・2019年の3年でGoogle Playベストアプリに選出されています。

みんチャレ公式HP:https://minchalle.com/

本日はよろしくお願いします。「みんチャレ」は同じ目標を持つ仲間を集めて、お互い高め合いながら、習慣化を目指すのがポイントになるかと思いますが、なぜ習慣化することに着目したのですか?

テクノロジーを使って皆を幸せにしたいという思いで、「みんチャレ」を作り始めました。人は自分から積極的に行動すると幸せを感じると思います。なので、行動変容をさせることが重要だと思っていて、いろんな人に行動についてヒアリングをして行きました。

ヒアリングをしていくと、三日坊主になる、続かないといった行動に伴う課題を多くのみなさんが挙げられていました。

これはニーズがあり、誰もが解決したい課題なんだなと感じました。それを解決する手段として選んだのが、ピアサポート だったんです。

分かります。自分も何回も目標を立てては挫折を繰り返しています。でも、なぜバーチャルコミュニティで、仲間同士が支え合うことに着目したのですか?

元々ゲームの会社で働いていたので、ゲーミフィケーションが好きで、自分も学生時代ゲームに300万円ぐらい使うほどゲーマーだったんです。ゲームは人がはまり込み、行動させる技術が多く使われています。

それを現実世界に応用することで、人の行動を変容させる。三日坊主を防止することができるのではないかと思い、着目しました。

ゲームにはまり込む技術とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

ゲーミフィケーションの根本的な理論として、フィードバックというものがあります。入力に対して反応が返ってくると人はその行動が正しかったと認識して、行動を繰り返すようになります。

例えば、落とし穴がありBボタン押して、キャラクターが飛び越えた時はこれが正しかったと学習し、また同じようなシーンでBボタンを押すようになります。そういうものの連続で人はゲームにはまっていくんです。

このような仕組みが現実世界に作れると面白いと思い、ユーザー同士の励まし合いというコミュニティが適切なのでなないかと考え、「みんチャレ」というアプリを作りました。

ゲーム以外に「みんチャレ」の開発のきっかけになった体験はありますか?

個人的な体験としては中学生の時に全然家では勉強しなかったけれど、図書館の自習室にいくとなぜか勉強できたっていう体験がありますね。他に勉強している人がいると自分も勉強を頑張ることができる体験があったので、人は環境に左右されると思いました。その環境を整えてあげる意味でも、同じ目標を持つもの同士が集まるというのは習慣化を生み出す効果があるなと思っていました。

例えば、筋トレって自宅でもできるけれども、ジムに行き、他にトレーニングしている人の中で行うと、辛くても頑張れると思います。仲間を集めることで、一人でやっていると辛くてやめてしまうところを、みんな頑張っているんだから、自分も頑張ろうといった相乗効果を生み出し、しっかりやろうという思いが生まれます。このような学生時代の体験もきっかけになっています。

「みんチャレ」を開発する中で、苦労した点はありますか?

今も苦労しています(笑)

互いに面識がない人同士が集まるので、最初のコミュニケーションが結構重要なんですけど、自己紹介して、相手のことを理解して進められる人ばかりではないんですよね。

そういう中で「みんチャレ」内にAIのチャットボット機能を追加しました。ユーザー同士の自由なコミュニケーションだけではなくて、AIのチャットボットがアシスタントになり、会話をサポートする機能を追加しました。

AIのチャットボットとは例えるならバラエティ番組で司会者の芸人が雛壇の芸人の会話を引き出すように、コミュニケーションを円滑に取る、サポートをしてくれる機能なのでしょうか?

そうですね。AIのチャットボットはにゃんチャレンジャーという名前で、猫とレンジャーを掛け合わせて、5匹1組みの戦隊をコンセプトに作りました。新しくコミュニティに入った人がいると、にゃんチャレンジャーが自己紹介をするので、新しく入ってきた人がそれに合わせて、自分も自己紹介してみるかと挨拶をする。

するとチームのメンバーも新しい人を歓迎し、挨拶をする会話の流れを作れるんですよ。これがチームビルディングをサポートする存在になり、コミュニティに入ってもアクションを起こさないユーザーに挨拶を促し、コミュニケーションの活性化につながりました。

コロナ禍に入り、ユーザーが3倍に増加したというプレスリリースも拝見しましたが、ここ最近の動向から見て「みんチャレ」のユーザー数が急増した理由はなんだと思いますか?

一番は今までできなかった習慣化する前に挫折してしまった課題を「みんチャレ」が解決していることだと思います。中には「みんチャレ」を初めて人生が変わりましたという方もいます。

また、使って頂いた方が口コミで広めてくれているのも大きな要因だと思います。

どなたかインフルエンサーとなっている方がいるのでしょうか?

経済評論家の勝間和代さんは「みんチャレ」ユーザーで、ご自身の本やYoutubeなどで「みんチャレ」を紹介してくれています。

あとは東大受験を目指す漫画ドラゴン桜の「ドラゴン桜2」で、「みんチャレ」が紹介されています。ドラゴン桜の作者や編集者の方が「みんチャレ」ユーザーでモチベーション管理にいいということで、マンガでも紹介してもらいました。

このような方に強烈な価値を感じていただいているのはユーザー増加に大きく関係していると思います。

コミュニティ化するための機能は理解したのですが、自分は何回も目標に対して挫折した経験があるので、習慣化にハードルを感じています。「みんチャレ」を使うことで、なぜ多くの人が習慣化に成功することができるのでしょうか?

「みんチャレ」の活用は個人でそれぞれ違います。私の場合はウォーキング、英語学習、睡眠などのために使っています。習慣化に成功するポイントは「みんチャレ」を続けて、『自己効力感』を獲得できることが関係していると思います。『自己効力感』とは小さな成功体験を積み重ねることで、獲得できる自信です。

私も振り返ると5年ぐらい続けているチームがあります。5年続けられると継続したことが自信になり、これができるんだったら他のこともできるんじゃないかと新しい挑戦にもつなげることができます。

習慣化以外にどのようなユーザーの悩みを解決していると思いますか?

孤独である悩みを解決をしていると思います。社会人になると同じような仲間を集めるのは難しいと思います。また、同じ職場や家庭の中で一緒にトレーニングをする人を探しても、仲間が集まらないことも多いと思います。

このような状況から、一緒に目標に向かって頑張る仲間を見つけられずに孤独を感じている方は多いと思います。そのような課題を解消できているのも、ユーザーに選ばれているポイントだと思っています。

コミュニティを見つけるといえばLINE社の提供するオープンチャットも活用できるかと思いますが、違いはどこにあると思いますか?

「みんチャレ」は習慣化に特化したサービスになるので、オープチャットのような出会いなどを目的とした交流はありません。目標に向かって成果を出すためのコミュニティであり、参加者の目的が明確になっています。

また、少人数性で「みんチャレ」は最大5名という形でコミュニティを作るため、参加者が埋もれず、帰属意識の高いコミュニティを作ることができます。

社内でストレッチ、筋トレなど行っているようですが、このようは健康経営に関わる取り組みを始めたきっかけは何でしょうか?

元々会社を設立した時から毎日15時にストレッチをするというのはルールとして行っていました。基本はエンジニア中心の会社なので、デスクワークが多く、体にも影響がでやすい働き方が中心でした。

身体活動が増えると、うつ傾向が強くなるので、強制的に15時にストレッチをする取り組みを就業時間内でやると決めて始めました。途中からストレッチだけでは物足りなくなってきて、17時に筋トレをするのを増やしました(笑)。

健康経営に取り組む企業の中には参加者が集まらずに、途中で取り組みをやめるケースも多いです。なぜ継続できているのでしょうか?

会社のルールとして、全員でやる取り組みですよと定めているからです。あとは時間になったらタイマーをセットして、スマホから音楽が流れるようにしています。音楽が流れてきて、筋トレの時間ですみたいなみんなが分かる合図を作る。

そして、時間になったら動画を流して一緒にトレーニングを始めることで、会社全体に根付いた習慣につなげることできました。やったりやらなかったりするのは習慣化にはつながらないので、就業時間内で、やる時間を決めるのがいいと思います。私たちの場合は筋トレを毎日5分行っていますが、これぐらいの時間で、少し汗をかくぐらいにして、毎日続けるのが大事だと思います。

今はリモートワーク体制になっていると伺っていますが、リモートワーク体制では健康経営の取り組みは一時ストップしている企業も多いです。コロナ禍の状況でも続けているのでしょうか?

朝礼が終わった後、映像、音声はOFFにして、ビデオ会議をつないでいます。誰かが話しかけたら常に聞こえるようにしている状態なので、15時になるとスマホのアラームで、みんなに周知することができます。その時だけビデオをONにして、みんなでストレッチをしています。

リモートワーク体制ではコミュニケーションを取る機会も減ってしまうので、健康管理だけでなく、コミュニケーション機会を補うことにもつながります。開発業務、広報業務だったり、違う業務をやっていても、筋トレは共通のことやっているので、継続することで、社員の輪を作ることにつながっていると思います。

健康経営に関する取り組みを自己評価するなら100点満点中どのくらいでしょうか?

福利厚生などは整備できていないですが、トレーニングの継続、たばこを吸う社員もいないことを考えると、マインドの部分では100点かと思います。

しかし、ジムなどの設備があるわけでなはないので、設備としては60点ぐらいかと思います。

よく健康は食事、メンタル、運動、睡眠に分類されますが、4つに分けると、今後どの分野で社員の健康をサポートしていきたいですか?

メンタルについては運動と一緒に管理できる側面があると思います。スタートアップ企業は決して働きやすい環境とは言い切れない側面もあるので、社員の運動サポートは引き続きしていきたいと思います。

今はストレッチと筋トレをやっていますが、歩数も重要で、歩くことで人間の体調管理はできます。今後は社員が「みんチャレ」を活用し、1日8000歩ぐらいは歩く習慣を身に付けていきたいです。

スタートアップ企業は社員の健康のケアまで行き届いていない企業も多いと思います。このような企業に何かメッセージはありますか?

全ての企業活動の基本は人なので、人に投資するのが一番リターンがあると感じています。その人たちに最大限のパフォーマンスを出してもらうための環境を整えるのが経営者の仕事かと思います。

そんな中で健康経営というのはかなりリターンの良い投資だと考えています。

企業の健康課題解消のために「みんチャレ」の活用方法を教えてください。

「みんチャレ」の中で健康に関わる目標を掲げているチームに入って、1日目と2日目のチャレンジの写真をチャットに投稿するということからトライしてみて欲しいです。

ハードルはいきなり高くしなくていいと思いますが、例えばウォーキングのチームで歩数を計測するみたいなチームに入ってもらい、1日目、2日目の記録を投稿する。まずは3日坊主の手前の2日間をきっちりこなすことを意識すれば、1週間、1ヶ月と続けることに繋がるかと思います。

企業での健康経営への活用事例はありますか?

健康経営に「みんチャレ」を活用されている企業はたくさんあります。「みんチャレ」はインストールすればすぐに誰でも使えるアプリなので、活用されています。社員同士でチームを組んだり、社員の人数が多い企業ではチームメンバーを毎回シャッフルして、社内交流としても活用されています。

社員が多い企業だと、一緒に働いたことがない社員がいるケースも多いので、そういう人たちが交流できる場所になり、同じ活動を1ヶ月続けると、お互いの仕事内容や人間性を理解し、社員のエンゲージメント、定着率、パフォーマンスの向上につながっています。

健康経営の取り組みを実施しても上手く参加者が集まらないことに悩んでいる、担当者の方にアドバイスはありますか?

企業や個人によって健康問題は異なると思うので、そこに合わせて「みんチャレ」をダウンロードして使ってもらいたいです。

しかし、確かにそれだけでは利用しない人もいると思います。その場合は社長、役員が率先して取り組みをやることで利用者を増やすことに繋がると思います。

一般的には会社の中で「みんチャレ」が活用されている企業でも最初にいきなり全員が取り組むケースはほとんどありません。まずは特定の部門の5名ほどでやってみる。その後参加した方が別々でチームを作って、1チーム5名のチームを5つ作り、25名で取り組む。それでまた1ヶ月やってみて、また新しいチームを作っていくことで、参加者を増やしていくことができます。

このように経験者を1ヶ月単位で徐々に増やしていく形が最終的には数百名の取り組みにつながるコミュニティへと育てていくことができると思います。

編集後記:

私はフィットネス事業に関わる業界人として、おそらく誰もが共通の課題として感じているのが運動を継続してもらうことだと考えています。

事実、ジムに通う人は幽霊会員が多いのが現実です。例えばダイエット、勉強、貯金など目標を立てたものの、挫折をしてしまった経験がある人は多いと思います。

しかし、挫折体験は自己責任で語られる傾向が多いかと思いますが、「みんチャレ」はテクノロジーを活用し、仲間を集め、ゲーム性のある仕組みで習慣化ができるという今まで大多数が解決することに諦めていた悩みの解消につなげる価値を提供されていると感じました。

自分も英語学習のチームに入ったので、習慣化に向けて活用させて頂きます。

ビズヨガでは健康経営や従業員の健康増進に積極的に取り組まれている企業様に取材を行わせていただいております。
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